クイーン オブ サイアム

先週のことですが、今年も熱帯スイレンが花を咲かせました。その名も「クイーン オブ サイアム」、タイ産の熱帯スイレンです。花びらの色はかなり濃いピンク。「サイアムの女王」の名の通り、艶やかな美しさに目を奪われます。葉に黒い「斑(ふ)」が入っているのも、この「クイーン」の特徴です。ですから、ひと目見てすぐにわかると思います。 

石や苔といった、まさしく「和」を感じさせる雰囲気の中に凛と咲く熱帯スイレンの華やかさは、大げさかもしれませんが文化が出会うさまを垣間見ているようでもあり、不思議な感覚に陥ります。「サイアム」というのは、現在のタイの古称です。おそらく、タイで同じものを見ると全く違う印象をいだくことでしょう。是非見てみたいものです。タイのエネルギッシュな空気や照りつける日差しにしっくりと馴染んでいるのかなあと想像されます。 

 この熱帯スイレンと、日本にもともとある温帯スイレンとの大きな違いは、熱帯スイレンが水面から出た茎の花を咲かせるのに対し、温帯スイレンは水面に花をつけることだそう。ちょっとした違いですが一目瞭然に明らかなのが興味深いところです。熱帯スイレンは、より太陽を欲しているということでしょうか?

境内には、「キング オブ サイアム」という種もあります。こちらは、深くて鮮やかな青色。王の風格、とでもいうべき悠然たる美しさ。いらっしゃる機会のある方はこちらもチェックしてみてください。どちらも、とても素敵なお名前ですよね。

それにしても、熱帯スイレンが綺麗に咲いているところを見ると、本格的な夏もすぐそこまで来ているのだなあとつくづく実感します。スイレンに続いて蓮のニュースもこれからお伝えできると思います。お楽しみに!(萌黄) 

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