お坊さんへの道vol.4 “清澄”

こんにちは。年が変わっても続く、「お坊さんへの道」。いよいよ佳境に入ってまいりました。日々、師僧から所作やお経を習っておりますが、地域性や師僧がそのまた師僧から習った時の習性などなど、どうしてもちょっとした差が出てきます。

僧侶を志す私たちは総本山の身延山にて行われる35日間の修行に近々行くのですが、その前に「僧道林(そうどうりん)」という4泊5日の短期の研修に参加することになっています。この「僧道林」は年に四回、全国各地で開催されます。この中で、3月27日~31日に開催された、千葉県鴨川市にある本山「清澄寺(せいちょうじ)」での僧道林に、一昨日まで参加してきました。

清澄寺をご存知ですか?日蓮宗の本山の一つで、建長5年(1253)4月28日、旭が森にて日蓮聖人が初めて「南無妙法蓮華経」とお唱えになった場所です。日蓮宗が開かれた場所です。誕生寺のある海沿いの地区から山へ上がっていくのでなかなか公共の交通機関のみで行くのは大変な場所ですが、JR外房線安房天津駅からタクシーやバスで行くこともできます。山あいの凛としたたたずまいに背筋が自然と伸びるような、なんとも気持ちの良いお寺です。
得度ののち、「度牒」を交付していただいたのが、この清澄寺です。

日本全国から約40名、お坊さんを目指す人たちが集まり、ここでお坊さんとしての心構えや所作、法要の進め方などを5日間かけて学ぶのです。夜には「法座」といって、自己紹介に始まり、「なぜお坊さんを志すようになったか」「理想とするお坊さん」など、グループに分かれて話します。自分の想いを口にすることも良い経験でしたが、同じ志の人たちがどのようなことを考えているか、に触れられたことも意義深かった気がしています。

食事は精進食で、先生がたへのお給仕も行います。食事の所作もご指導していただきます。食器の扱い方から気配りの仕方に至るまで、「心を配る」ことに終わりは無いことを教えていただきました。この、「心を配る」ことこそ、お坊さんとして一番大切なことだということも先生方が折に触れ気付かせてくださいました。

最終日の朝には日蓮聖人が昇る朝日に向かってお題目「南無妙法蓮華経」を初めてお唱えになった旭が森にて私たちもお題目をお唱えし、ご来光を拝みました。とても寒い朝で、前日にはなんと雪が降りました!まだ地面に雪が残るところ階段を上り、澄んだ空気の中を旭が森へ進みます。気温が低いだけに、その分ご来光は筆舌に尽くしがたい尊さでした・・・あらためて、自分自身にこれから進むべき道を問い、誓いをたてました。(緋)

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