節分立春ご祈祷会:ご祈祷編

立春おめでとうございます(10日も経ってしまっていますが・・・)。立春は2月4日・・・旧暦の元旦です。当山では毎年2月4日にご祈祷会(ごきとうえ)が行われています。

この日は朝から数回にわたってご祈祷があります。いらした皆さまに甘酒をふるまいながらおしゃべりをし、和やかにご祈祷の始まりを待ち、ご祈祷を受け終わったらまたお茶をしながらおしゃべりや鶴を折って・・・そんな風に時間が進むご祈祷会は、一年で最ものんびりとした行事でないかと私は感じています。

そんな時に決まって話題になるのはお天気の話やお庭で花をつけてかぐわしい香りを放っている梅のこと。行事の名に、「立春」と季節感をただよわせる言葉が入ってることもあって、そんなハナシになるのかもしれません。

2月の初め、まだ寒い時期ですが、それでも暖かい日は廊下で日差しを浴びていると汗ばんでしまうぐらいです。
そんな暖かい日は、日差しが差し込み、「春が来たんだなあ」と心から感じさせてくれるような陽気となります。廊下でくつろぎながら、居眠りをされる方もいらっしゃるぐらい。今年もそうであったらよかったのですが・・・残念ながら今年は前日の節分とは異なり、ほとんど寒空に覆われた一日となりました。

ご祈祷会の時には、お寺の入り口から参道を通って本堂・お稲荷さんに至るまで点々とのぼりがたてられます。赤や黄色ののぼりがはためく様は、佐倉の「ご祈祷所」として知られた江戸時代の往時を少しだけ感じさせてくれるような気がします。中でもとりわけ参道は、昔の姿を想起させてくれるような。参道の入口から、三門やイチョウの木に目をやり、さらに竹やぶや空に目を移してみてください。昔とあまり変わらない姿が垣間見えるかもしれません。

さて、堂内のご祈祷はどのように行われているのでしょう・・・?

お経の声が冬の澄んだ空気に満ちた堂内に響き、ご祈祷が始まります。いつもよりだいぶ早い速度でお経が読まれ、木剣(ぼっけん)と呼ばれる道具を手にお上人(おしょうにん=お坊さん)がたが、一人ひとりご祈願していきます。

このご祈祷は、中山の法華経寺(市川市)で寒中百日の大荒行を成満(修了)したお上人により行われます。気迫に満ちた読経、木剣を振る姿に、通常の法要とは異なる雰囲気があふれます。

こうして本年のご祈祷も終了・・・丑年の今年、牛のようにのんびりと確実に歩める一年が過ごせるといいなぁと思います。(萌黄)

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