お坊さんへの道vol.2 “学”

4月から立正大学で講義を受けている「紫紺」さんと私ですが、教義を学ぶにあたって、もう一つ別の方途もたどらせてもらいました。検定試験-身延山大学で9月7日から13日まで、五日間の講義と、その後二日間の試験というものです。

佐倉から日蓮宗の総本山である身延山久遠寺がある身延(山梨県南巨摩郡身延町)の地までは車で4時間ほどですが、日帰りしてしまうことがほとんどです。長くても一泊。それが今回は一週間過ごせるわけです。とはいえ、月曜日から金曜日まで毎日朝9時から夕方まで講義があります。すぐに試験が控えているので、勉強しないわけにはいきません。

普段立正に通っているとはいえ、前期の三か月間はよくわからないままに過ぎてしまった感があります。たとえば、「涅槃」とか「菩薩」とか「一乗」とか・・・キーワードは知っていてもそれが自分の言葉で説明できない、キーワード同士のリンクが無いといった様子でした。検定の講義ではどのようなことが聞けるのか、期待もしつつ身延へ向かいました。

講義・試験共に4科目にわたって行われました。お釈迦様について、日蓮聖人について、仏教について・・・五日間で重要なエッセンスを全て注ぎ込むのですからかなり駆け足です。的を絞って、時には噛み砕いて教えてくださいます。逆に、直球で核心部分にお話が進むことも。立正の授業ではうまく理解できなかったことが検定の講義で理解できたり、逆に立正で丁寧に教えていただいたことが検定の講義の理解に役立ったり、と双方に助けられ理解が深まる感じでした。授業終了後は、図書館で自習して試験に備えました。

大学は、久遠寺の隣にあるので、学校の行き帰りには、本堂や日蓮聖人の御廟をお参りしました。普段の慌ただしい生活から離れ、深い緑に囲まれた聖地で自分のすべきことに没頭する・・・ある意味とても贅沢な時間を過ごさせてもらった気がします。

検定でご一緒する方々は、同じタイミングで修行をしているわけですから、やがて参加することになる「信行道場(しんぎょうどうじょう)」でも同期になる可能性が高いことになります。特に女性は人数が少ないので知り合いにもなりやすく、知っている人がいるというだけで、今後も心強いだろうなあと思います。

充実した一週間でした。(緋)

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